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Irina Palm / やわらかい手
今日は半休。
となれば行くところは映画館、と決まっている。
何しろ観たい映画はたくさんあるのに、時間が足りないくらいなのだから。

やわらかい手
Bunkamura ル・シネマにて

難病にかかった孫の手術の海外渡航費用を捻出するため
マギーは、イリーナ・パームという芸名で、とある "接客業" につく。

というあらすじは、たしかに心に訴えかけるものがあるし、好奇心をそそられる。
それだけで十分に人目をひく話だ。
しかしそれは、映画の縦糸と横糸にすぎない。
縦糸と横糸を織り上げる "はたおり機" は何なのか?
マギーの突飛な行動を生みだした動力源は何なのか?

村のご近所連からは軽んじられ、息子の妻からも疎んじられ、
孫を救おうと仕事を探しても、年齢だのスキルだのを理由に相手にしてもらえない。
だけど、マギーが秘密の仕事についてから、近所の友達との関係、
嫁姑の関係、息子との関係、職場のボスや同僚との関係が少しずつ変わっていく。

一人の人間として、尊重され、感謝され、尊厳をもって生きていきたい。

こんなマギーの言葉にならない思いを
周りの人との何げないやりとりや、マリアンヌ・フェイスフルのかすかな表情から
ふっと浮かび上がらせるような描き方。

マギーに深く共感してしまうのは、
私自身も、そして周りのひとたちもそのように生きられたら、と
いつも願っているから。
おすすめです。
by veronique7 | 2008-01-18 22:43 | 映画


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