再録です。(2003年10月3日)
まだ、フランス語がろくにしゃべれなかったころの話。 わたしはある地方都市で語学研修に参加していた。 すでにフランス語の勉強を始めてから数年たっていたと思う。 マジメな文学少女だったわたしは 日常生活での語彙に乏しかった。 あるとき授業で、"micro-ondes" という単語が頻繁にきこえてきた。 その瞬間、その音はわたしの頭のなかで ミクロ音頭♪ と変換されてしまったのである。は? ちんぷんかんぷんなまま、先生や生徒のディスカッションを聞いているうちに われわれは、冷凍食品や加工食品の増加というような 現代の食生活の変化について話していて 「ミクロ音頭」 とは電子レンジのことだということが分かった。 なるほど、micro-ondes とは直訳すればマイクロ波のことだから。 あの日以来、わたしの電子レンジには電子くんが住んでいる。 理科室の分子模型に手足が生えたような姿の電子くんは スイッチが入ると、わらわらと出てきて円陣を組み すたこらすたこら、うぃーん、すたこらすたこら♪ と嬉しそうにミクロ音頭を踊るのだ。 昨今の技術の発展というのはめざましいようで 先だって実家に帰ったら、いろいろな家電がしゃべるので驚いた。 「オイダキヲシテイマス」 「オフロデヨンデイマス」 やっぱり電子くんが住んでいるんだと思うな。
by veronique7
| 2003-10-03 04:39
| フランス
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by veronique7
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